▼ダリア(天竺牡丹)日記 Vol.3982013/02/14 06:12 (C) ダリア日記
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(花の西洋史辞典より:アリス・M・コーツ 白幡洋三郎・白幡節子訳 八坂書房)
(Vol.397のつづき)
ダリアの歴史の初期に、その名前を「ゲオルギア」と改名しようという試みがあった。それはロシアの植物学者ゲオルギにちなむもので、モーンドが残念がっていっているように、「イギリス国民の尊敬の的であった故ジョージ三世にちなむものではない」。改名の動きは、ダリア(Dahlia)と「デイレア」(Dalea)との間で混乱が起こるといけないという理由からであった。デイレアというのは、イギリスの植物学者サミュエル・ディル博士にちなんで付けられたアメリカのマメ科の植物で、大きく育つが興味をひかない植物である。また、ダリアは、ヨーロッパ大陸の一部ではまだ「ジョルジーヌ」という名で知られている。また普通の(または庭の花用の)英語名がないので、原産地メキシコの名前「ココクソチトル」を採用しようと主張する人がいるかもしれない。ココクソチトルという名は、この植物にまさにぴったりと合っている。ダリアは栽培を続ければ続けるほど、それだけいっそう原始的に野蛮になり、人に馴染まないから。ダリアは清楚で小さな野生のままのようなものから、お化けのような巨大なものまで、さまざまな大きさの花を咲かせる。インディアンはその苦い根を強壮剤として用いているとエルナンデスは報告している。最近では、イヌリンの原料として商業化しようとする試みがある。イヌリンからは薬用のレブロースという糖が採れる。余剰の園芸種ダリアの塊茎をこの目的のために使用するのが年々増えている。しかもその需要が増大してきたので、ダリアが畑の作物として栽培される日が来るかもしれない。花びらはマリーゴールドやキクと同じで、サラダとして生食用になる。 (おわり)