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▼朝日町4月29日獅子舞取材4 大滝、助ノ巻、石須部、太郎

朝日町4月29日獅子舞取材4 大滝、助ノ巻、石須部、太郎/
 4月29日上郷の宇津野熊野神社とお隣の松原厳島神社の獅子取材の合間に大滝と助ノ巻に出向いた。

大滝地区の神社入り口に着くと万国旗が見えた。運動会やイベントの装飾で見かける、ロープにビニ

ールの万国旗を付けたものでお祭りの良い目印になっている。朝日町の各地のお祭りでよく見かける

定番である。



ガードレールの切れ目が入り口で橋を渡り、石段を右上に上って神社がある

 
 大滝の二渡神社と不動尊が傾斜地の狭い境内にあったが、昨年夏の豪雨で土砂崩れで、もう一棟あっ

た不動尊の行屋が倒壊したのだという。総代の方々が、参拝されるお客様を迎えている。








 参拝すると杯にお神酒を勧められるが、当然遠慮し代わりにお供えのスルメを頂戴した。

獅子頭の有無について尋ねるが、ここのお祭りに獅子を出した記憶はないという。不動尊のお堂にも

総代の方がいて獅子頭の話は聞いた事がないという。ただ一対の龍の飾り物の一部分を見せてくれた。

長さ20cm程の龍の彫り物の底には丸い穴が開いていて棒に取り付けて用いる様なものだった。写真

を撮影しなかったので気になる。






 二渡神社の拝殿内に何故か相撲の「板番付」があり、日本各地の何かを番付したものらしい。山形

は「二十山□太夫」と書かれているが現在解読中である。



 この後、宇津野に戻り取材の後に宮宿側の五百川(いもがわ)橋手前の左側の地区「助の巻」に向

かった。天満神社付近にも万国旗が張られ、お祭りの華やかな雰囲気を漂わせていた。鳥居をくぐり

境内に入ると、神事の最中だった。境内には売店のテントが準備され獅子舞や大黒舞の衣装の方々が

待機していた。








境内の木の下に名古屋型の宇津権九郎獅子が安置されていた。下調べの際、肘折温泉で購入した獅子頭と聞い

ている。数十年前、地区の有志が祭りの賑わいを演出するため独学で獅子舞と大黒舞を立ち上げ、天満神社の

例祭に奉納したのが創始で、お囃子の江戸神楽囃子などは有料ダウンロードしたものだという。









 拝殿内での神事の後、外に出て大新宮の石碑などを宮司さんと一同が参拝し、御祓の後に獅子舞が始まっ

た。音響担当の方が首から下げた機材のスイッチを入れると、粋で軽快な江戸神楽のお囃子が鳴り出した。

二人立ちの獅子舞(朝日町では獅子踊り)で、関東で主流の鏡獅子風の所作のようである。





 こちらの宮司さんは豊龍神社の宮司さんで、これから松原の厳島神社へ向かい、神事開始予定は10時半

というので松原に直行した。その後、松原厳島神社の取材を終え、今度は太郎方面に向かった。

いもがわ温泉の建物から右の石須部(こくすべ)に曲がる道がある。しかし、その道の入り口ちょうど反

対側に鳥居を見つけ停車すると、ご婦人お二人が作業中で、下見で発見出来なかった石須部の不動尊の場所

を尋ねると親切に教えて戴いた。因みにここは石田渕(いしだぶち)地区だそうだ。こちら途中に太郎トン

ネルがあり、抜けると直ぐに新崩と書いて「にっくずれ」と読む集落があり、水天宮を見つけている。

易々読めない、ひねりが効いた地名が朝日町に多い。





 石須部入り口から右折し最上川に注ぐ朝日川の橋を渡り、少し登った所の右に参道を見つた。そしてあぜ道

の奥に幟旗が一対見えた。看板も何もないので、地元の知る人ぞ知る参道なのである。下の参道は、なるほど

先ほど道を尋ねたご婦人方が、「崖の下にあっから気をつけて」と云う位険しい崖を切り拓いた参道で、足元

を滑らせれば最上川にドボンである。











 狭い不動尊のお堂境内の奥に滝が見えた。水量はさほどでないので水垢離修行には良いな・・などと考え

ながら参拝する。左の崖から小滝があり、右に朝日川の渓流、対岸の岩壁の浸食と、すごい景観の穴場と出会

うことが出来た。


先程渡った赤い鉄橋が見える



 次は太郎地区の大日如来のお祭り視察。

下見で遠くの道路から赤い鳥居を発見したが、時間の都合で訪れる事が出来なかった所だ。先日の下見で大日

堂への道を近くのご婦人に尋ね、その通に行ってみると赤い鳥居が見えてきた。








 稲荷神社の鳥居は赤に塗られているイメージだが、こちらでは目印の為に塗られているのかも知れない。

 石田渕のご婦人たちからの情報では、今日ご婦人がお祭りで子供たちが集まっていたとの情報を聞いてい

た。お堂には、先に人の気配があり、四人の方がいて拝殿内部を眺めていた。その中に年配の男性がいて、

何か説明をされていた。



ひょっとして下見の際、雪谷(助ノ巻の奥の地区)の齢95才の鈴木伊三郎氏宅にお

邪魔して詳しく尋ねた時、獅子の有無を電話で確認した方ではないかと思った。名前が思い出せず、咄嗟

に目の前の奉納札を見ると大高邦雄氏(92才)の名前が見え当てずっぽに「大高さんですか?」と尋ねると

ご本人だった。こんな偶然もあるものだと驚きながら獅子頭の有無を尋ねるが獅子は無かったが神輿用の倉

庫に豪華な子供用神輿が保管されていた。




 近くに祥光寺があり、下見の時に訪れ前住職が趣味で購入した名古屋型の宇津権九郎獅子を拝見したが、

その獅子頭のことだったのだろう。






 まだ時間があるので、今度は長沼地区の春日神社に訪れると、例祭を示す幟旗が神社前の柵に付けられて

いたのが見えた。こちらも風光明媚な標高の高い集落で、神社の直ぐ側に地名の如く沼がある。神社番をし

ていた方に聞いた話では、太古の昔に山崩れがおきて川を堰き止め、このヒョロ長い沼になったのだという。

今年は区長に不幸があり協議した結果、幟旗も立てず直会も自粛になり、春日神社にも獅子頭は無く空振り

が続く。



大沼集落 茅葺民家に目が行く

 今度は長沼地区から大谷に入り、大沼地区の浮嶋神社に向かった。神社を参拝し、集落にある社務所を訪

れ庭の手入れ中の宮司さんにお会いできた。話しながら、視界に庭にロボット芝生機が稼働してしているの

が目に刺さってきた。このマシーンは是非、我が荒庭にも導入したいものだ。





 浮嶋稲荷神社の獅子頭は以前神社には獅子頭があったらしいのだが、現在は行方不明だという・・この件は

改めて調査してまとめてみたい。






 大沼地区から下ると大谷地区に至り、途中大暮山地区集落に入ると、公民館らしき建物があり、開けっ

放しの扉からチラッと覗くと直会の宴の最中だった。道なりに進んで行くと、たなびく八幡神社の幟が見

えてきた。今日の調査の最終地点である。





 しかし、下から八幡神社の参道石段を見上げると、オヤオヤかなり長い。本日の石段上りの総数を積算する

と葉山(長井市)登山級の疲労度だ。しかし石段を上り切ると、神社にお駄賃が待っていた。








 直会の留守番に、ご婦人が接待されていた。ご婦人から戴いたお駄賃は弁当のおかずに使う小さなアルミの

容器に入った赤飯で、量は0.01合といったところ。少し乾燥気味のお赤飯は小豆の硬めの食感と、餅米の粘り

が引き立ち口内で融合し神々しく美味だった。スルメは戴くも赤飯は初めてである。また、ご婦人から獅子頭

は無いという残念な情報も戴いて帰路についた。


 大谷の白山神社を参拝し、大江町の大山大自然公園経由で中沢集落を視察し国道287合線西部街道に入った。

4月29日、爽やかな快晴の中、朝日町各地を訪れ多くの獅子頭調査を満喫し、朝日町の人々の優しさに触れ合う

ことが出来た。











2023/05/06 10:53 (C) 獅子宿燻亭10
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