ヤマガタンver9 > 秋らしい朝

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▼秋らしい朝

今朝は寒かった。
玄関の温度計は10度。


昨夜、登山から帰り、出迎えに来るはずの猫「しろ・ちびすけ」が来ない。
どうしたのかな、と思ったのだが、かみさんに聞くと、その辺にいるんじゃないか〜、どこかえいったのかもね〜、と。

暫く昼寝をして、夕飯の時間。
「あれ、猫がいないな〜、どうしたの?」と聞くと、
誰も関心のない言葉。

この時間に、俺の膝に来ないなんて今までない。
まだ、子猫だから、そして、妙に人懐っこい。
この間、兄弟を交通事故で亡くしたばかりで、その後、人懐こさは増したのだが。

午後9時、外で鳴き声もしない。
あれ〜、変だな〜。

何かあったのかな??

外に出て猫を呼んでみる。

声をかけるたび、どこかで微かな鳴き声。
一回の掛け声に、一回の答えしかない。

どこだ。

弱々しい声を頼りに暗闇を探す。


車庫の2階の段ボールの隙間に見つけた。
声が弱い。

「なんだー、こんなところにいたのか〜、何してたんだ?」
抱き上げて、下におろし、後ろをついてくるのかと思ったら。座ったまま動かない。????

抱き上げて、明かりに照らすと、右後ろ脚がだらんとしている。
折れている・・・・・。

車か・・・・・。

小さな身体で、何とか2階まで上がったのか。

抱いて家に入れ、様子を見るのだが、
今まで声も立てず隠れていた「ちびすけ」が、声を立て痛がっている。

俺の呼びかけに答えたのは、生存したいからである。



かみさんが、猫に添い寝し、一晩中看護する。




朝、腰から下がうまく動いていない。
腰の上あたりの背骨と後ろ脚にダメージがあるのか。
前足で起き上がろうとするが、全く動けない・・・・・・。
今日は獣医さん休みだろうし。


かなりの重傷とみる。
回復不能なら楽にしてやるほかはない。



僅かの期間に2匹・・・・・。




俺は、命を奪うことの多い「マタギ」である。
野生動物や、家庭の鶏や、生まれてしまった家で飼いきれない猫、犬の命も奪う。

そのたびに、残す、あるいは今ある命をより深く大切にしなければと肝に命ずるのであるが。

だから、家族なのである。
自分の子供も、動物にも同じ愛を注ぐ。




秋になる。
山野は色を変え、空気は磨かれ、
吐く息は白くなり。

時は立ち止まらずに進む。
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