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▼思い出した言葉

毎朝、集団登校途中の小学生達と会う。

先頭は6年生だろうか、色とりどりの防寒着を着て歩いている小学生をみているうちに、思い出したことがある。


我が子が小学5年生の秋と思う。
それまで着ていた防寒着が小さくなり、買いに行ったときのこと。
同じデザインで、丈が長いのと短いのがあった。
長いのはすごく大人びて見えたのだろうか、
まだまだ幼いのだからと、私は短いのを着せたくて
「来年長いの買ってあげるから」と言ったらしい。
長い丈のが欲しかった子どもは、それで渋々納得した。
そして次の年、
「来年長いの買ってあげるから」を、しっかり覚えていた子どもは
丈の長いコートを買って欲しいと要求してきた。
私は、来年は中学校だからそのときに買ったほうがいい、という思いがあり、
また「来年長いの買ってあげるから」といったことなどすっかり忘れていた。
その後、どうしたのかは記憶にないけれど、
(たぶんまだ親業を知らない頃なので親の思うとおりにしたのだと思う)
子どもが言った
「だって、来年長いの買ってあげるからって言ったでしょ」の声は
いまだに耳に浮かんでくる。



近頃、生命保険の営業担当の営業トークを真に受けて、
えっ、この間言っていたことと違うと思うことがあって、
言った方は忘れるけど、言われた方は忘れないってことを改めて感じた。


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