▼都市の混沌から踊り出て2006/08/21 13:12 (C) 美術館大学構想
▼共感します>トランクを引いて、半ば駆け足で改札口に立つ出迎え人のもとへ向かう帰郷者に混じりながら、「一体、どっちが僕の求めているものだろう」と考えていました。
ああ、これすごくよくわかります。 どっちもなんですけど、つめて考えると混乱して、 言ってることが両天稟になったりします。 2006/09/13 15:15:shirasaka:URL
|
▼100advertising▼ranking
|
(C) Stepup Communications Co.,LTD. All Rights Reserved Powered by samidare. System:enterpriz [network media]
|
■写真:『混沌から踊り出す星たち』展オープニングレセプション+会場風景
撮影/石川将士(東北芸術工科大学大学院1年)
--------------------------------------------------------------------------
姉妹校の京都造形芸術大学が卒業生をフューチャーする展覧会シリーズ「混沌から踊り出す星たち」展レセプションに出席するため、久しぶりに東京へいってきました。
青山のスパイラルガーデンに展示された作品は、絵画や彫刻といった従来のアートのカテゴリーには収まらない、現代のハイブリッドなアートシーンを体現していて、それでいて関西っぽいというか、深遠さや重みを嫌うトンチの効いたアイデアと、職人的な技巧を凝らしたものが多かったです。
会期中のイベントも含め、展覧会のオーガナイズしているのは京都造形芸術大学ASP学科で、学生たちが授業の一環として運営に主体的に携わっています。
昨年もたいへん感心したのですが、彼らは、これくらいの展覧会はきちんとマネージメントできて、まだ学生然としたアーティストに、最高の舞台を用意していました。オープニングレセプションで、アーティストたちが大勢の観衆を前に、とても晴れやかに、堂々としていたのが印象的でした。
こういう雰囲気は、ただイベントプロモーターみたいに段取りをテクニカルにこなしていくだけではつくれません。運営サイドにアートやアーティストへの心からの敬意がなければ難しい。この思想的なモチベーションをしっかりと指導できているところに、ASPの後藤繁雄教授の手腕を感じました。
オープニングレセプションでは、後藤教授、評論家の市原堅太郎教授、アートディレクターの榎本了壱教授、そしてギャラリートークに招かれていた原田幸子氏に、芸工大の卒業生展『I'm here.』を出品作家の鈴木伸くんとPR。皆さんとても快い反応で、決まって「京都と山形で一緒に何かやろうよ」と言ってくださる。心強い。
一通り挨拶を終えると、パーティー会場を抜け出し、後は青山の賑やかなカフェで鈴木君と彼の制作をサポートしている石川君とともに、『I'm here.2006』の会場構成についてなど深夜まで打ち合わせ。眠らない街で、終電を気にしながらアートについて話すのも久しぶりでした。
***
翌日の朝、帰りの新幹線は帰省するこども連れの家族で一杯です。福島を過ぎると、車窓には、眩しい日本の夏が流れていきました。
山形駅に着くと、改札口では『山形花笠踊り』の興奮がお出迎え。大混雑していた東京の人ごみのなかでエンターテイメントなアート作品を鑑賞し、普段は眠ったような私たちの街で、華やかで、力強い祭に出会う。
トランクを引いて、半ば駆け足で改札口に立つ出迎え人のもとへ向かう帰郷者に混じりながら、「一体、どっちが僕の求めているものだろう」と考えていました。
美術館大学構想室学芸員/宮本武典