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▼西雅秋・彫刻風土の旅〈1〉ー鋳物の街・山形ー

西雅秋・彫刻風土の旅〈1〉ー鋳物の街・山形ー/
■写真上:旅のはじめの記念写真。『鈴木鋳造所』さんは仏像や梵鐘を扱う大きな鋳造所。
■写真中:『雅仙』さんの屋上で20年前に長谷川社長自らが制作したという弁財天を発見。彫刻風土のパーツとして提供してもらうことに。雨ざらしで胸部の損傷が激しいため、頭部のみを切り離し修復して使用します。
■写真下:『南工房』の南社長に銅町特有のるつぼ(金属を溶かすための容器)の運搬補助器具について説明を受けている西さん。鋳造家同士の話は、こと設備については尽きることがありません。「るつぼ」は、西作品の重要なモチーフです。

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28日から彫刻家・西雅秋氏が来校し、芸術研究棟116号室で滞在制作がスタートしています。
先週の金曜日には『彫刻風土への旅』と題し、制作をサポートするボランティアスタッフとともに山形県内の鋳物工房を訪ねてまわりました。

山形市は古くから鋳物が盛んで、市内を流れる馬見ヶ崎川沿いの銅町周辺には、茶道具や仏具などを手がける伝統ある鋳物屋が軒を連ねています。
今回の旅の目的はその倉庫を探索すること。
鋳物屋さんの倉庫には、過去にブロンズに鋳込まれた様々な造形物の原型(石膏や木製のもの)が捨てるわけにもいかず、引き取り手のないまま保管されてることが多いのです。
これらは地元のお寺に納める仏像や、著名人の胸像や、公園のモニュメントや、学校のエンブレムなどで、暗い倉庫には、土地の信仰や記憶にまつわる様々な造形が堆積しています。古い民家に掛けられている肖像写真、あの感じです。

西さんは厚い埃に覆われた倉庫の中をゆっくりと時間をかけて捜索し、仏頭や蓮弁、獅子のレリーフなどを、大学の能舞台に設置する予定の作品『彫刻風土』のパーツとして持ち帰りました。

美術館大学構想室学芸員/宮本武典
2006/09/06 07:59 (C) 美術館大学構想
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