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▼中道の教え

中道の教え/
 仏教には中道という教えがあります。お釈迦様は王子としてこの世に生を受けられました。ですから、29歳で出家されるまでは王子として何不自由のない生活をされていたのかもしれません。しかし、出家されてからは難行苦行の厳しい修行をなされました。
 

 ですから、お釈迦様は相反する極端な生活を経験されたのです。しかし、お釈迦様は厳しい苦行の中で悟りを開かれることはなかったのです。そこで供養の食事を得てから、菩提樹の下で瞑想に入られ悟りを開かれたのです。
 

 その経験から中道という教えが生まれたのかもしれません。中道とは何事も極端に傾いては得るものはなく、苦しみだけであるというのです。私達の生活でも仕事と家庭、道徳と損得、感情と理性、食事と運動、収入と支出など、すべてバラスが大切になります。このバランスをいかに保つかが大切になります。
 

 現代は何事も極端に引きずられやすい時代です。過労死は仕事と休息のバランスが、犯罪は道徳と損得のバランスが、成人病とは食事と運動のバラスが崩れることによって起こるのかもしれません。日本の社会には私達の行動や考え方が極端に走らないように制限する道徳という名の防波堤がありました。その防波堤が崩れつつある今、私達は自分なりの防波堤を作らなければならないのかもしれませんね。何事も誘惑や狂気に流されないように、程々のところで満足し自分の中の天秤を安定させることが、現代社会を生きていく秘訣なのかもしれませんね。


今日の写真
 桜の季節が終わった頃に咲き始める八重桜の写真です。当山にはこの八重桜の並木があり参拝に来られた方を出迎えています。


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