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▼1970年製の工作機械

1970年製の工作機械/
三菱電機のDIAX(ダイアックス)という放電加工機。

御歳37歳。(当社で一番古い機械。もう現役ではありません)
人間で言えば脂が載ってきて、人生最高の期間を迎えんとする時期ですね。

この「放電加工機」と言う機械は、名前のとおり放電と言う作用を利用して工作物を加工する機械です。
マスターと呼ばれる「電極」と工作物の間に「火花」を飛ばしてその火花の力で工作物を溶かしてゆく。すると電極の形に工作物が減って行って彫りこみになります。

電極と工作物の間に隙間がないと「火花」が出ないので、絶縁する必要があります。この場合絶縁には灯油の様な専用の加工液をつかいます。
なのでまるで浴槽の中で火花を散らして加工しているという具合。結構綺麗に見えるときがあります。

さて何でこんな機械が必要かというと、
まず回転工具でないので、真四角な穴を開けることができます。四角い電極を使えばそのままの形に掘り込めます。
次に電気を通す性質のある工作物には、硬さ関係なく加工する事ができます。
極端な話し、ドリルに穴を開けることができます。

こんな有利な機械なのです。でも電極を作らないといけない、加工速度が遅いなどの欠点もあります。

要は何処にどういう加工方法が一番早くて精度を出すことができるのか?が大事だという事。当然放電加工でないと出来ない事も考慮する必要ありますが。

さて昔の工作機械、今のと比べてどうだろう。
当然性能は劣る。速度とか面祖度とか違う。
では古い機械に利点はないの?

あります。

機械のハードウエア、つまり本体。
昔の機械は今のようにコンピューターシュミレーションをしない(ある程度解析はしていたが)ので、とにかく強度を出すためには鋳物(大概メインフレームは鋳物です)の厚さを厚くするといった手法がとられていました。

すると当然重くなります。
工作機器は自分の重さが大事。特に加工をしていると自分で振動を出しますが、機械の重さで振動を吸収できてしまったりします。
昔の機械は、だから名機が多いのではないかな。

最近の機械は軽い!
重けりゃいいってもんです。機械に限っては。

でも自分の体は重くなっちゃ駄目。
メタボリックなんとかもありますからね。

体を引き締め、常に前向きに進もう。

◎ 37才の機械。風格があるでしょう。
2007/10/05 07:28 (C) ものづくりノート
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